Vim のターミナルウィンドウの文字色を設定する
はじめに
Vim 8.1 がリリースされましたね。目玉機能の一つとしてターミナルウィンドウが挙げられています。 Vim 8.0 から存在していましたが、ついに実験的機能ではなくなった、ということでしょうか。
実はこのターミナルウィンドウの文字色は、設定によって変更できます。しかし、これは :highlight
コマンドとは異なる方法で管理され、しかも、適切に扱うにはある程度 Vim script の知識が必要になります。なので、ここに簡単にまとめておこうと思います。
ただし、注意する点として以下の機能を使うためには gvim を使用しているか、 'termguicolors'
オプションが使用可能でオンになっている必要があります。
ユーザーによる設定
各文字色の指定には g:terminal_ansi_colors
変数を使います。これは十六要素のリストで、各要素は色指定のための文字列です。基本的には #RRGGBB
形式の七文字で指定します。
let g:terminal_ansi_colors = [ \ "#0c0c0c", "#c50f1f", "#13a10e", "#c19c00", \ "#0037da", "#881798", "#3a96dd", "#cccccc", \ "#767676", "#e74856", "#16c60c", "#eadf84", \ "#3b78ff", "#b4009e", "#61d6d6", "#e8e8e8" \ ]
各要素は次のように各文字色に対応しています。
インデックス | 色 |
---|---|
0 | black |
1 | dark red |
2 | dark green |
3 | brown |
4 | dark blue |
5 | dark magenta |
6 | dark cyan |
7 | light grey |
8 | dark grey |
9 | red |
10 | green |
11 | yellow |
12 | blue |
13 | magenta |
14 | cyan |
15 | white |
つまり、このような対応になります。
let g:terminal_ansi_colors = [ \ "black", "dark red", "dark green", "brown", \ "dark blue", "dark magenta", "dark cyan", "light grey", \ "dark grey", "red", "green", "yellow", \ "blue", "magenta", "cyan", "white" \ ]
理想的には、ユーザーは何も設定の必要がなく、各カラースキームが適切な色を設定するのが一番良いと思います。しかし、実際にはまだ新しい機能なので、まだすべてのカラースキームファイルが対応しているわけではありません。ひとまず使っているカラースキームで問題がある場合に g:terminal_ansi_colors
を設定しましょう。
g:terminal_ansi_colors
は vimrc で設定してもカラースキームが上書きしたり、削除したりします。なので、デフォルト設定として次のように設定すると安心です。
if has('terminal') function! s:set_default_ansi_colors() abort if exists('g:terminal_ansi_colors') return endif let g:terminal_ansi_colors = [ \ "#0c0c0c", "#c50f1f", "#13a10e", "#c19c00", \ "#0037da", "#881798", "#3a96dd", "#cccccc", \ "#767676", "#e74856", "#16c60c", "#eadf84", \ "#3b78ff", "#b4009e", "#61d6d6", "#e8e8e8" \ ] endfunction call s:set_default_ansi_colors() augroup vimrc autocmd! autocmd ColorScheme * call s:set_default_ansi_colors() augroup END endif
自動コマンドグループ名 (:help :augroup
) は各自適切に設定してください。以下のリンクが参考になります。
vimrcアンチパターン · vim-jp/reading-vimrc Wiki · GitHub
【一人 vimrc Advent Calendar 2017】vimrc で安全に autocmd を設定する【3日目】 - Secret Garden(Instrumental)
カラースキームファイルによる設定
カラースキームを作ったら、その背景色にあう文字色を設定しましょう。
カラースキームの背景が黒に近い場合、デフォルトの色も見やすいと思います。これで十分なら、設定をクリアするだけで簡単です。
unlet! g:terminal_ansi_colors
もっとカラースキームにあった色を設定したい場合は、 g:terminal_ansi_colors
を使って色を設定します。ただし、その色設定はカラースキームを後で変更した場合に邪魔かもしれない、という点に注意しましょう。ほかのカラースキームへ変更する時に設定をクリアするようにしてください。
if has('terminal') && exists('##ColorSchemePre') let g:terminal_ansi_colors = [ \ "#0c0c0c", "#c50f1f", "#0f8d64", "#814d25", \ "#2353b1", "#881798", "#359fcf", "#cccccc", \ "#767676", "#e74856", "#88b422", "#cfa42b", \ "#6290ea", "#c800b2", "#44bfe0", "#e8e8e8" \ ] augroup mycolorscheme autocmd! autocmd ColorSchemePre * unlet! g:terminal_ansi_colors autocmd ColorSchemePre * autocmd! mycolorscheme augroup END endif
自動コマンドグループ名 (:help :augroup
) は各自適切に設定してください。
個人的には背景が暗い場合はデフォルトでも十分、背景が明るい場合はデフォルトだと厳しいなと感じます。
関連パッチ
patch 8.0.1685: can't set ANSI colors of a terminal window
patch 8.0.1777: cannot cleanup before loading another colorscheme